多摩川 晩秋のベニシジミ
晩秋、蝶がどんどん少なくなる寂しい季節・・・そんな中で一つの楽しみはベニシジミです。
↑ 12月3日、裏の多摩川土手で見つけたベニシジミ。4月に出てくるベニシジミの燃えるような橙色に春の訪れを実感するが、世代交代と共にどんどん黒化してしまい真夏には「ベニシジミ」とはとても呼べない黒っぽい個体も。そして寒い日が混じる晩秋になると、カエデが紅葉するように橙色が復活するが、成虫の蝶では越冬できないため命の炎を燃やすような最後の輝きを披露した後、気温の低下とともに力尽きる・・・越冬は幼虫のステージで行い、翌春には再び輝く橙色のベニシジミが羽化するという永遠の営みを繰り返している。
↓ 炎のような紅葉(京都蹴上九条山(幼年時代の家周辺) 11月下旬 学生時代アーカイブ)
↓ そして散る(京都 法然院の池 11月下旬 同上)
↓ 夏にかけて徐々に黒化するベニシジミ 川崎市(6月上旬)
↓ 極端に黒化したベニシジミ 裏の多摩川土手(8月下旬)
↓ 早春羽化した輝く橙色 多摩川河川敷(中野島 4月上旬 クレソンで吸蜜)
ベニシジミの季節による色の変化は興味深いですね。自然は合理的なはずなので、何か理由があると思われますが、さて?
紅葉のメカニズムは検索するとクロロフィル(緑)だアントシアニン(赤)などと出てきますが、ベニシジミの輝く橙についてはみつかりません。
年の瀬なので私の住んでいるあたりではもうベニシジミは見られないと思います。
一番身近なヤマトシジミのメスでも秋に煌めく青藍の鱗粉を散りばめた「アオメス」なる綺麗な個体が混じってきますが、これも同様に理由があるのでしょうね。
世の中の事象はそのメカニズムがわかっていることの方が少ないのだから悩む話ではないようには思いますが、なんとも不思議ですね。