多摩川 飛ばないハヤブサ
裏の多摩川の堰堤を覗いてみると、洪水吐ゲート機械室の欄干にハヤブサがとまっています。
猛禽の迫力はあるもののこの場所では余り絵にならない。広々とした河原につき高見で周囲を見回せる高木もなくどうしても人工的な工作物にとまらざるを得ないようだ。1月7日は好天とはいえ寒風のなかで飛び立つのを待つ根比べが続くが、一向にその気配なくじっとしている。トップはその中で何秒か動いて、さあいよいよ飛ぶかと期待させた瞬間ではあったがまたとまり直して動かなくなった。動かないのでディテールの観察をしてみる。ハヤブサの瞼(まぶた)もコガモと同様に下から上に閉じていて、また、眼は瞳も虹彩も黒で目立ちにくいことが観察できた。
飛ぶ速さ、特に急降下のスピードは世界鳥類トップクラスとの誉れが高いハヤブサ、猟の際には飛翔中の鳥に追いついて足で蹴っ飛ばして落とすという激しい猛禽。ところで、日本最速の新幹線は?⇒東北新幹線の「はやぶさ」(東京⇔盛岡は秋田新幹線「こまち」と併結運転)の時速320キロで速さの権化になっているのがよくわかる。因みに非営業列車も入れるとJR東海がリニア実験線で達成した時速603キロはもちろん世界最速のギネスもの、一日も早い営業開始が望まれる。
閑話休題、結局、1時間以上が経過し寒いうえに風も強いので諦めかけていると、なんとカメラのバッテリーゼロ! 予備もなく、暇つぶしの動画を撮り過ぎたのが運の尽き、諦めるしかなく切り上げて土手を登って帰路についた。土手から最後にもう一度、振り返ってハヤブサを確認すると・・・エーッ、いない! あと、5分粘っていたらと悔やんでも後の祭りであるが、結局電池切れでは撮影には至らず余計にダメージを受けたであろうからまあ、これでよし。こんな日もある・・・
⇒ 動画 動きのないハヤブサ (∴ 余り動画の意味なし)
↓ 手前の窓の脇に右ハヤブサ、左コサギ
↓ 少しアップ
↓ 真っ黒な眼
↓ 瞼(まぶた)を閉じている
↓ 瞼は下から上に向かって閉じることが判明
アップの写真を見ている限りでは分かりませんが、「洪水吐ゲート機械室の欄干」なるものを遠望した写真を見ると、こんな遠くから欄干に止まった小さな鳥によく気づいたものだと感心します。
いえいえ、決して目がいい方ではないので感心されるには及びません。
割とこのハヤブサは、窓枠にとまっている時間が長く、飛んで一廻りすると欄干というように行動パタンが決まっているから見つけやすいのです。ただいつもいるわけではないし、獲物の方向によってはどこに飛んでゆくか予想もつかないので一概には言えません。一つ言えることは、狩場であるこの堰周辺にはこれらの建築物以外にとまるところとして高く見通しがきくところが皆無ということです。従って結果的に居場所は絞られます。