サラバンドと剱岳

なんのこっちゃ? 久々ぶりにパピヨネスクして(関係ない話題に蝶のように飛ぶ、という勝手な定義)、ピアノの話題です。

えっ? ピアノの話題では? はい、まあ落ち着いて! トップは北アルプスの剱岳の写真。学生時代、後立山連峰縦走時のクライマックス、五竜岳(2814m)から鹿島槍ヶ岳(2889m)に向かう途中の八峰キレットという危なそうなところから撮った黎明の剱岳(2999m。7月25日との記録)。迫力満点で神々しい雰囲気がありました。それまでに登ったことのあった槍ヶ岳(3180)や奥穂高(3190m)に比べてその重量感のある孤高の佇まいは際立っていました。

↓ 鹿島槍ヶ岳の頂上の吊尾根より、黒部渓谷を挟んで聳える剱岳を望む。鹿島槍ヶ岳は双耳峰(頂上が二つある)で距離500mほどの稜線、吊尾根が両ピークを結んでいる。服装が時代がかっている・・・

前置きが長くなりましたが・・・社会人になって日本で富士に次ぐ第二峰の甲斐の北岳(3193m)を友人と登ったのを最後に、結婚や海外駐在で、アルプス登山とは無縁となり、あれだけ感激した剱岳にはその後、登る機会はないまま時間が経過しました。2009年に「劔岳点の記」という映画が面白そうだったので見に行ったところ、これがすごい映画だったのです。世界の黒澤と呼ばれる黒澤明監督のもと撮影助手として薫陶を受けたカメラマン木村大作が初監督として独自のカメラワークで造り上げた信じられないような映像の連続に心を奪われました。特撮、CGなしで全て実写ということでいったいどうやってあんな映像が撮れたのか? 新田次郎作の同名の小説がベースになっていて、明治時代に未踏であった剱岳に登頂して三角点を設置して日本地図を完成させるために陸軍陸地測量部の主人公とその仲間たちが苦難の末に目的を達する(登ってみて頂上で錆びついた修験者の錫杖を見つけて、実は初登頂でなかったことが判明したというオチがつきますが)というのが大まかな流れです。

↓ 20009年の東映。圧倒的な映像、豪華な配役(浅野忠信、香川照之ほか)。DVDを時折自宅で見るがその都度泣ける名作。映画ファンではないがこれまで見た映画の中ではダントツトップの映画であり、マンガで言うとスラムダンク級。同年にアバターの第1作が公開されこちらは3D、CGにそれなりに圧倒されたものの、剱岳点の記と比較するのは木村監督に失礼かもしれない。次元が違う。 「剱岳点の記」映画サイトより

やっとピアノの話になります。映画で使われた音楽はクラシックばかりだったのですが、とりわけ初めて聴いた曲が耳に残り、あとで調べて、それがハイドンのサラバンド(1733年)ということがわかり、爾後、剱岳とサラバンドはセットもので記憶に刻まれました。

そろそろ本題。数年前にピアノを半世紀以上ぶりに再開し、サラバンドを思い出していたところ、楽譜がなんと自宅にあったので、このところ定期的に出ている家内のピアノ教室の発表会(12月14日)でこの曲を演奏した・・・というお話です。前回の発表会はでは、2年半もかかったベートーヴェンの「悲愴第1楽章」を弾いた(?)ので、その後の半年で同等の新曲など仕上げられるわけもないので、比較的弾きやすそうで2ページという短いこの曲を選びました。出来のほどは、いつものように、速すぎ、とちり、弾きなおしとまるで進歩はないにしてもまあ、とにかく弾くだけはなんとか弾きました。生徒さんやそのご家族ほか50~60人くらいとはいえ人前というのは(観客はカボチャと思うようにいかに自己催眠をかけようが)どうしてこうも緊張するのか、謎は解けません。一つ付け加えるなら、サラバンドはピアノよりオーケストラの演奏の方がはるかに聴きごたえします。

⇒ 恥を忍んでの動画 サラバンド ヘンデル

 

 

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