生田緑地 タマムシの追憶
昨年のお盆休み、後半は台風7号の直撃可能性大につき天気が良いうちにと近くの生田緑地を頻繁に訪れました。大事なフィールド(自然観察の場所)であるのに、近年ホタルの季節は立入禁止、そしてナラ枯れにより歩行に危険が伴うとして通行禁止区域が増えてしまい大打撃を受けています。
ナラ枯れ(※)により通行禁止区域が増えて、倒木・落下の危険のある枝や樹を伐ってしまったのだが、ここに限らずそんな時にはどこからともなく湧いて出るようにタマムシが集まってくる??? ただ、この2週間ほど何度か飛翔するタマムシを見かけたものの撮影には至らずくやしがっていたところ、今日は発生木ならぬ飛来木(集まってくる木)を見つけた。目の高さの木の幹を這っていたので気がついたが上の方にもいて結局30分くらいの間に6~7頭のタマムシを観察することができた。「この頃、なんだかタマムシをよく見るよ~」と公園の管理の方もおっしゃっていたくらいであるがやっと撮影できたので大いに満足した。
※ ナラ枯れ:カシノナガキクイムシという昆虫が媒介する「ナラ菌」によってナラ類、シイ・カシ類等のブナ科に起こる樹木の伝染病。菌の感染により樹木側が防御反応としてチロースなどを形成して管類を閉塞し菌の拡大を防ぐことを試みるが、これにより道管も閉塞し水を吸い上げられなくなって枯死してしまう。正に自縄自縛、他人事とは思えない・・・生田緑地で蔓延しているだけでなく高尾山でも確認済、各地で広がっているらしく若い木は免れるが大木が犠牲になるとのこと。
↓ 高尾山頂上ではカシワの大木が枯れてしまった(昨年 8月下旬)
気が滅入ってくるようなナラ枯れの話はさて置いて、タマムシは子供のころからの憧れ、京都に住んでいた幼稚園時代(永観堂禅林寺というお寺が経営する境内の幼稚園に通っていた。重要文化財の「みかえり阿弥陀」に加えて紅葉の美しさで知られている)家の近く、谷川への急斜面の崖にあるエノキの木にたくさんのタマムシが集まっていたが子供の虫取りアミでは到底届かない5~6m先でくやしい思いをしていた。アミを手に力なくたたずんでいたのだろう、見るに見かねた向かいのお寺の小僧さん(流石は京都!)が長い竹の物干竿の先にアミを結び付けて、いとも簡単に一匹とってくれた。初めて手に取ったタマムシの虹色の輝きと感激は今も脳裏に焼き付いている。
↓ そのころは知らなかったタマムシの色の秘密(構造色)
↓ 煌めき
↓ おまけ。こちらも家の近くで追いかけ回していたハンミョウ。別名「ミチオシエ」、目の前の地面(もちろん舗装などしていない)から近づくたびに飛立つと4~5m先にとまる。近づくとまた飛んで4~5m先に・・というのを繰り返すのであたかも「道案内」をしていくれているようなのでこの名前がある。但し、ついていったからといって目的地にたどり着けるかは保証の限りではありません。走って大汗はかくもののこいつは自分で捕れた。神社の境内で見かけることが多い 西宮市 8月上旬(アーカイブ)