可憐で身近な春告げシジミ ツバメ・ベニ・ルリ
ギフチョウに春到来を感じるのにはなんとなく厳かで構えた雰囲気がありますが、身近な小さなシジミチョウたちには一緒に可愛く騒ぎながら春を喜んでいるような一体感があります。 mats
今シーズン2回目の新治市民の森(横浜線十日市場)。ハイム周辺や多摩川、生田緑地でも普通に見られるツバメシジミ。写真はメスで羽の表は濃灰一色のものが多いのですがこの個体のように青いラメ状の鱗粉が羽の各所に散らばり、また、尾錠突起(後ろの羽のちょっと尖った尻尾のような部分)のあたりに橙斑がでることがあります。下の写真のオスは少し金属光沢のある青藍色がきれいですが、前回訪れたときにルリタテハがいたところで、同じように土のミネラル分を吸っていました。3番目はベニシジミ。橙色の金属光沢が緑に映えてまぶしい春型の出現。世代交代を繰り返し夏に向かってこの橙は黒化しますが晩秋にまた春の輝く橙が復活したところで力尽き、その後は幼虫の形態で越冬する子孫たちに翌春以降の種の継続を託します。最下段はルリシジミ。とまると殆ど羽を開いてくれないのでその瑠璃色の美しい羽の表は飛んでいる時にしか見えません。身近な春のシジミチョウとしてあとは「ヤマト」を冠するヤマトシジミがそろそろ出てくる頃です。
↑ ノイチゴで吸蜜するベニシジミ(メス) ↓ ルリシジミ(オス)
きれいに羽を広げたシジミチョウの美しさには嘆声がもれてしまいます。
写真だからこそ見ることの出来るこの小さな蝶たちの姿は、普段飛んでいるのに遭遇しても素人目にはその姿を捉えることが出来ません。
なのでその美しさも「蝶図鑑」の写真で知るまでは、小さくてもこんなにきれいな蝶がいることを知りませんでした。
写っているお花を見て蝶のサイズが想像できます。
こんな小さな蝶だったら、もしかして私の家の近くにも飛んできていたかもしれませんね。
プロの目は偉大です!
題名のとおり、「身近」でどこにでもいるシジミショウたちですが、これはそのエサとなる食草、食樹の分布が広いということにほかなりません。遠くの山に、ある一定の時期に出かけなければ会えない蝶にも大きな魅力がありますが、このように春~秋まで世代交代を繰り返し殆どの時期に身近で会える小さな蝶たちは貴重です。