信州遠征② ギフチョウ・ヒメギフチョウ
前回はヒメギフチョウでしたが、今回は・・・
遠征二日目は朝から晴れて気温もゆっくりと上昇し、それとともに姿を現わしたのがギフチョウ。画像としてもよく見かけるカタクリで吸蜜する姿はいささかステレオタイプかもしれないが実際に撮影した時の達成感は格別。
ギフチョウとヒメギフチョウは一目では見分けがつかないほどよく似ているが別種で、この2種はそれぞれの食草、すなわちカンアオイ類(ギフチョウ)、ウスバサイシン類(ヒメギフチョウ)の分布境界に沿って「リュードルフィアライン」(リュードルフィア Luehdorfia はギフチョウの学名。概ね、フォッサマグナに沿ったライン)と呼ばれる境界線の西と東に棲み分けている。ただ、今回訪れた白馬周辺では例外的にこの2種が混生していて実際に一日の内に同じ場所で両種を確認することができた。
尚、奇妙な「ギフチョウ」という名前は採集されて新種の蝶と確認されたのが岐阜県であったことからついた名前らしい。
↓ ギフチョウ
↑ ギフチョウは後翅外縁部が橙色であるのに対して ↓ ヒメギフチョウは黄色っぽい
↓ 枝垂れ桜に飛来するヒメギフチョウ
↓ 同 ヒメギフチョウ
↓ ヒメギフチョウ
期間限定、地位域限定の希少種の出現は、天候や気温などの偶然にも左右されるでしょうから、出会えたときの感動はひとしおでしょうねー。
写真によると、ギフチョウの体毛はすごくふさふさしていますが、このふさふさが花々にとっては、花粉を運んでくれる有り難い存在なのでしょうね(NHKの趣味どきっ!「道草さんぽ」の番組を見ての感想)。
特に年一回発生、春一番のグループの蝶たちは、早めに羽化しすぎるとまだ、サクラやスミレといった花が咲いておらずいきなり食糧危機の憂き目を見ることになります。
結局なんとか帳尻は合っているようですが、ギフチョウが花もないのに飛び回りながら、地べたにとまり日光浴しているのを見るとどうやって飛翔のエネルギーを貯えるのか不思議になります。