アオスジアゲハの羽化

蝶の羽化の瞬間、この感動的なシーンはまず見られません・・・

マンションの敷地にはアオスジアゲハの幼虫時代の食樹であるクスノキがたくさんある。もともと強い木で樟脳(しょうのう。カンフル)を抽出して防虫、医薬、アロマテラピーなどの用途があるが、防虫効果のある植物をエサにして育つというのもなかなかたくましい。どういうわけか最近敷地内で見ることが以前に比べると少なくなったがそれでも時折、若葉に小さいのから大きいのまで幼虫がついていたりする。たまたま見つけた4頭の幼虫を飼育したところ蛹になって以降、3頭は寄生と判明。そこで晴れて蝶になる可能性は残る1頭のみ。

薄緑の蛹の表面が透けて翅の模様が見え出すと羽化は時間の問題となってくる。夜、かなり模様がはっきりしてきたので、カメラを据えて、もし運良く明日の朝にまだ羽化してなかったら動画を撮ってやろうと決めて就寝。朝5時頃起きて確認すると、やった!まだ羽化してない! ということで睨めっこしながらその瞬間を待つ。

これまで何回こんな時間を過ごしたことか? ただ、その瞬間を見たことは数えるほどしかなく、ちょっと目を離した隙に蛹から抜け出してしまっているのが、95%くらいかな? 恐らく人間の視線には電気的な信号が含まれていてそれを感知して見られている間は出てこない?とでも思いたくなるくらいその瞬間(蛹にヒビが入ってモゾモゾとシュラフザックから出てくるように触角、脚、頭と出てくる、その間せいぜい1~2分)は見られない。まあ蝶にとってもこのあたりは最も無防備な時間帯でもある。

そして、もちろん、今回も・・・ちょっと目を離したあとに目を戻すとトップの写真の状態であった。また、やられた・・・

⇒ 動画 キタキチョウの羽化 (アーカイブ 2021年11月3日 川崎市 中野島)

↓ かくして抜殻が残る

↓ いつも、羽化すると翅がしっかり乾いたあとでバルコニーからの飛立ちの儀式をやることにしていて右手にカメラ、左手にそっと蝶を乗せて開いたタイミングで撮影をもくろむのだがこのアオスジ、左手を伸ばしたとたんにいきなり飛び去った。ま、文句を言えた義理ではない。儀式の一例、ジャコウアゲハ  (アーカイブ 2019年6月16日 川崎市中野島)

↓ 見られなかったアオスジアゲハの翅表  (アーカイブ 2025年6月14日 川崎市 多摩川宿河原堰)

 

 

 

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