ヘビの話

多摩川の河岸の小径を散歩していると、奇妙な鳴き声が聞こえたのですが、実は・・・

うん、鳥? けたたましい鳴き声がするのでそっと水際に近づいたが飛び立つ気配もなく声は続く。近寄ってわかったのは大きめのシマヘビが、これまたかなり大きめのカエル(食用ガエル?)を捕らえて締め付け、呑み込もうと格闘していた。鳴き声はカエルの断末魔ともいうべき悲鳴だったことが判明した。シマヘビは1メートルの距離でカメラを構えているのに取り込み中でこの大きな獲物に集中していた。それから15分余りで決着はつきシマヘビはヨシの藪の中に消えていった。食物連鎖からすると日常的なシーンなのであろうが目の前で見るのは初めてで衝撃的。ヘビの下あごは特別構造で、グルリとはつながっておらず左右に分かれていてその間隔も広がり、そのうえ、上下のあご角度は160度くらいまで開くので口よりかなり大きい獲物でも丸呑みが可能なのだという。カワセミが大きめの魚を丸呑みする光景はなんとなくユーモラスですらあるが、これはあまりに生々しく一連の経過の画像、動画も撮るには撮ったがアップは差し控えることにした。

↓ 水面を器用に身をくねらせて泳ぐシマヘビ (アーカイブ  2023年5月17日 生田緑地)

↓ 鳥の卵やひながよくヘビにやられるが、鳥も大きくなると立場が逆転する。束の間の対峙ののち双方Uターンしたケース

  シマヘビ VS ゴイサギ(幼鳥)  (アーカイブ  2024年6月11日 生田緑地)

↓ 多摩川、二カ領用水でときおり見かけるアオダイショウ。冬眠明けの二枚舌  (アーカイブ 2021年4月4日 二カ領用水)

↓ ちょっとヘビについての余談

10年以上前に6人の共訳でサン=テグジュペリの「星の王子さま」を出版したことがある。共通部分の六分の一、及び王子さまをはじめとする登場キャラを各訳者が1~2ずつ分担、割り振って訳出するという変わった取り組みで進めた。その中で、私の担当は「地理学者」と「ヘビ」であったのだが、なんとなく謎の存在の砂漠のヘビ・・・取り纏め・調整役に慶応の仏文の教授が当たったのだが、複数の訳者が国外だったためZOOMで結んでのすり合わせ会議を何度も行ったのは懐かしい思い出である

 星の王子さま   バベルプレス 

 翻訳者インタビュー  

ヘビとの会話の一部

「岩だらけのゴツゴツしたこの地球で、おまえみたいに頼りなさそうなやつを見ているとかわいそうになってきた。もしいつかふるさとの星にどうしても帰りたくなったら、そのときはおれが力になってやるよ、そして・・・」

「もう! よ―く分かったよ。だけどさ、なんでいつも、なぞなぞみたいなこと言うの?」

「すべてのなぞをおれがとくからだよ」とヘビは言った。

そしてお互い再び黙りこくった。

※ 小学校高学年以上向けの語彙での訳出

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