アオバセセリと青信号
山や里山での4月の主役がギフチョウを初めとする春一番の蝶たちとすれば、5月はミヤマカラスアゲハなどのアゲハたちに加えて、私が特に「パッション」を感じるのはアオバセセリとスミナガシです。
5月の山登りは気分爽快、とは言いながらひたすら橙、ピンクのツツジ、そして白いウツギの花を探し、頂上まで登ることは必ずしも目的とはしていない。なぜならツツジにはアゲハたち、そしてウツギにはアゲハに加えて季節の風物詩とでも言うべきアオバセセリが吸蜜に飛来するから。一般的に、褐色で地味なセセリチョウの中にあっては緑色を基調として橙の紋(配色の組み合わせが互いに目立たせ印象づけるとされる「補色」の関係にある色相の緑と橙)があるアオバセセリはとりわけ美しい。
緑なのにアオバ? そう言えば、青信号、青汁、青葉・・・??? みんな緑なのに! これは、歴史的に緑の概念ができたのは平安末期から鎌倉初期とされ、それまでは現在の緑は全て「青」に含まれていたことの名残であるらしい・・・とはいえ「青信号」というのは納得がいかない。
トップはウツギに飛来して吸蜜し始めた途端のアオバセセリ。シャッターの連写設定をしそこなったため怪我の功名というか結果として躍動感がよりいきいきと伝わってくる。
↓ とまる直前
↓ 殆どとまりかけ
↓ 吸蜜中
↓ 葉上。ひときわ美しい緑と橙の対比
↓ 同上。夕日を受けて輝く
セセリチョウといえば、地味な色合いで、飛んでいてもあまり興味をひきませんが、こういう美しい種類があるというのは知らなかったです。
白いウツギ類に飛来することが多く、この緑と橙がさらに引き立ちます。
人間がデザインしてもなかなかこんな絶妙な配色にはならないような気がします。動きが素早いので撮るのが難しい蝶の一つですが今回は上出来といってよいかもしれません。