高尾山のインチワームとチョッキリ 番外
いったい、なんのこと? 高尾山での一幕です。 mats
先日、相棒のHenk氏と訪れた高尾山。帰路の山頂付近でアメリカ人とおぼしき若いカップルがなにやら一所懸命に木の葉の接写を試みていましたが風で揺れてうまくいかない様子。野次馬根性丸出しで近づいたところ、カメラの先には緑輝く小さなゾウムシのような甲虫がいました。小さくゴロッとしたこのての虫の撮影はなかなかピントが合わず苦労しますがなんとか撮影しカップルと話しましたが今ひとつかみ合いません。結局、わかったことはかれらはその甲虫の20cmくらい手前にいた小さなシャクトリムシを撮ろうとしていたのです。まあ、シャクトリムシも確かに面白いと言えば面白い・・・英語でなんて言うのかきいたところ「インチワーム(inch worm)」とのこと。そもそもなんでシャクトリムシ(尺取虫)と呼ばれるのかは、このイモムシの動きが、長さを測るときに親指と人差し指を何回か拡げたり縮めたりする動作にそっくりだからですが、インチワームも同じ発想からできた言葉のようで、尺(1尺=303mm)とインチ(1インチ=25.4mm)の差はあるもののなかなか面白いですね。
この緑の甲虫は、ゾウムシではなくオトシブミと呼ばれる甲虫の仲間で「ドロハマキチョッキリ」という奇妙な名前がつけられています。チョッキリというのは木の葉をチョッキリと切るためで上の写真は、この緑のチョッキリが卵を産んだ後に木の葉を巻いてつくる揺籃(ゆりかご)と呼ばれる巣です。ただ、このドロハマキチョッキリは一般のオトシブミとは異なり、チョッキリとは切らずに、名前の「ハマキ」の通り上の写真のように葉を巻いてくっつけただけですが、孵化した幼虫はゆりかごに守られながら中で葉を食べて成長します。一般のオトシブミは、もっと几帳面に小さく一枚の葉を何重にも折りたたんで「ミニ柿の葉寿司」のような直径1cmx2~3cmくらいの円筒状の職人芸とも言えるゆりかご(下の写真:生田緑地)を作るのですがドロハマキチョッキリの場合はご覧の通りいかにもおおざっぱなものです。
フン、悪かったな、おおざっぱで!(ドロハマキチョッキリ)