危機一髪 ツマグロヒョウモン
蝶が卵から成虫になる比率というのはせいぜい1%~2%くらいで、鳥に食べられたり、ハチに寄生されたり、羽化するときに落下したりと私たちが目にする飛んでいる蝶は幾多の試練を乗り越えてきた強者でであり、また強運の持ち主でもあります。 mats
ツマグロヒョウモンのメス、豹柄だけのオスと違い青やピンクが混じりひときわ美しいヒョウモンチョウです。
朝、駅に急いでいると駅前の歩道を悠然と這っているツマグロヒョウモンの終齢幼虫をみつけました。こんな人通りが多いところで何を考えている!?と言ってもしょうがないので、踏みつぶされる前に拾い上げ、ウーン、次の電車に乗らないと遅刻するかも・・とは思いながらも、命には代えられません、迷わずUターンして我家に戻りバルコニーの鉢植のスミレに放り込んでおおいをかぶせました。蝶の終齢幼虫は蛹化が近づくと彷徨性が出てうろつく傾向があるものも多いのですが、駅前の歩道は余りに危険。翌日、スミレの葉にぶら下がってさっそく前蛹になっていました。最近、カラスアゲハの飼育をしましたが、前蛹から蛹化する際に、幼虫時代の脱皮したばかりの丸まった皮を落とすのに尾端(すっぽりと出てきた新しい蛹の尾端)をひょいと持ち上げて、素早くこれまでの尾端の位置につけ直して身をよじりながら抜殻を落とすのが面白かったので、アゲハのように背中に回した命綱がなく、尾端一カ所でぶら下がる蛹タイプ(垂蛹といいます)のツマグロヒョウモンがどんな経過をたどって蛹化するのか興味がありました。 参考 蝶百科図鑑 ツマグロヒョウモン カラスアゲハ蛹化の動画 ⇒ 蛹の尾端をひょい
↓ 鉢植のスミレに移した終齢幼虫。苦手な向きもあるかと思い、ハーフサイズの画像です・・・
↓ 一日で前蛹に
↓ さらに一日。蛹化が近そうだったので注意していたのに、ちょっと目を離したスキに殆ど脱皮していました。ただ、最後の抜殻を振り落とすところはなんとか確認、動画にも撮りました:尾端はくっついたままで脱皮したあと身をよじってカラを振り落としています。あわてたので鮮明な動画ではありません。⇒ 動画はこちら