探蝶漫遊記 ⑨まだらだらけの島 (石垣島遠征)
冬枯れの期間が長くなりどうしても蝶の姿が見たくなったので2月10日から13日という日程で初めて石垣島に行ってきました。台北から約270キロという石垣島では「越冬」の必要がないため蝶たちは1年中、ある意味だらだらと世代交代を繰り返しています。それでも真冬・真夏の時期は余り活動しないため、いい時期に行ったわけではありませんが気温が上がるといろんな蝶が飛び出してくるのが確認できました。何回かに亘って旅日記風に紹介していきます。 mats
2日目の朝、石垣島の西に突き出たような崎枝方面に向かった。リュウキュウアサギマダラはずいぶん個体数が多い。高尾山でも見られ長距離の渡りで有名なアサギマダラに比べると、またひと味違った繊細な色調とデザインを感じる。マダラチョウの仲間は幼虫時代の食樹、食草が違っていても共通してその植物の毒素を体内に蓄積していて鳥など捕食者のエサになることを防いでいるが、鳥がみんな敬遠するのは、それぞれ一度食べて「体調を崩し」、それが学習効果になっているのか、それとも本能的に避けているのか興味深い。
その飛翔。マダラチョウの仲間はフワフワと風に乗ってのどかに飛んでいる感じがする。
こちらはセンダングサに飛来しているスジグロカバマダラ。朝だけいい天気だったがあとはずっと曇ったり、雨がポツポツしたりで温度も上がらずいまいち元気が出ない(もちろん私の話です)。
センダングサで吸蜜しているヒメアサギマダラ。台湾から風に乗ってやってくる迷蝶扱いではあるが定常的に発生しているらしい。
センダングサで吸蜜するツマムラサキマダラのメス。それにしても他に花の種類が多くはないとはいえ、どれもこれもセンダングサにとまる。季節的な理由かツマムラサキマダラは少なかった。オスの前羽はもっと紫が強くフォトジェニックなのにまともな写真は撮れずじまいで、昨年の宮古島でもアングルは良かったのにいきなり現れたので手振れした写真しか撮れなかった。相性が悪いのかも・・・