探蝶漫遊記 ⑳堅実派 イワカワシジミ 最終回(石垣島遠征2)
今年の2月に訪れた石垣島、余り蝶が活動しない時期であることに加えて天候も良くなかったため撮り残した蝶が少なからずありました。そこで思い立って10月中旬に再訪したので何回かに亘って紹介します。尚、前回の石垣島遠征記は3月2日~4月6日(20回)に投稿しています。
石垣島遠征2は今回が最終です。また、身近な話題についても面白い写真が撮れたら投稿します。 mats
石垣島の北西部の崎枝半島に向かう。林縁の5mほどのクチナシの樹上にとまっているイワカワシジミを見つけた。前回2月の訪問では姿を見ることもできなかったので、今回の遠征目的のひとつでもあった。翅の裏が緑というのは他には例がないので見分けるのは簡単。このシジミの変わっているところは幼虫時代、食樹クチナシの葉でなく、実にもぐり込んでその内部を食べて成長し(実のない時期は花も食べるらしい)、そのまま蛹になり、羽化するときは空洞となった実の中に蛹の殻を残して入った穴から抜け出して翅を伸ばすというところ。外敵には襲われっこない堅実な生き方・・・大きな木を見回すとあちこちの実に穴が空いている。
↑ 実に空いた穴 ↓ 割ってみると蛹の抜殻が残っている。実の中味はほぼ完食した模様
↑ もう一つトライ ↓ 実が堅く爪では割れなかったので最後は歯で割ると中に3齢くらいの幼虫がいた!
↑ 見つけた幼虫は前回に続いて同行していただいた地元在住のKさんに引き継ぎ
↓ 羽化したてのイワカワシジミ。随分ねばったがついに開いてくれなかった・・・
matsさん
石垣島遠征2の最終回となりましたね。数々の珍しい蝶の画像と一緒に写った花々、撮影現場の楽しいお話など毎回楽しみに拝見しておりました。撮影した4000枚の写真の整理は大変だったことでしょう。
最終回のイワカワシジミって本当に堅実派ですネ。自分の身を守るためにクチナシの実の中で成長するとはすごい! どうやって実の中に入るのか不思議です。
komさん
ご愛読いただきありがとうございます。
イワカワシジミは本当に変わり者です。孵化してしばらくするとまだ小さな幼虫はやわらかい蕾に穴をあけてもぐり込むようです。そして中味をどんどん食べると、排泄も穴から外へ出すというなんとなく滑稽な・・・実の中で、どんどん成長して蛹になって、そして羽化に当たっては蛹の抜け殻は中に残してまた、穴から這い出して世界に飛び立つ・・・透視撮影の早送りでもできればすごく面白いでしょうね!
mats