なんだ、これは? 高尾山編 番外
野山を歩いていると蝶の周辺にも興味を引くものがたくさんあるので退屈しません。 mats
①虫こぶ
ブナの葉に赤く得体の知れないものがあちこちについていますが形も大きさも様々。これは「虫こぶ」と呼ばれるもので犯人(?)は小さなタマバチ、タマバエやダニなど様々ですがこの犯人たちが植物に産卵管を差しこんで卵を産むと植物の方が刺激に反応して異常な成長を遂げた結果なのです。一つ持って帰ってスライスして中を調べたところ・・・どういうわけかもぬけのカラ??中にいるはずの卵、幼虫らしきものは見られず、出たと思われる穴もなくがらんどうで肩すかしを食いました。
↑ 奇妙な形の虫こぶ ↓ 断面(葉側の付け根部分。先端部もからっぽ・・・)
②「落とし文」
高尾山の山道を歩いていると、よく落ちているのが、木の葉を「ミニ柿の葉寿司」のように巻いた3cmくらいの円柱状のハマキ。これは「オトシブミ」という甲虫が作る揺籠(ゆりかご)と呼ばれるもので産卵後にオトシブミは丁寧に葉を折っては巻いて営々と揺籠を作り上げ、卵から産まれた幼虫は安全な揺籠の中で葉を食べて蛹になり羽化するという面白い習性を持っています。種類によって揺籠を木につけたままのタイプと、ちょん切って地面に落とすタイプがあります。高尾山では人通りが激しいので山道に落とすのは致命的ですが、残念、そこまでは知恵が回らない・・・道の脇に落ちていたのを一つ持って帰って、揺籠を拡げてみたところ、ありました、黄色に光る小さな卵。本来ここからは出ないで成長するはずなのでもとのようにくるんで成虫が無事出てくるのを見守ることにします。昨年、高尾山でオトシブミの記事を書いていますので美しい成虫の写真も併せてご覧下さい。
昨年の記事 ⇒ 高尾山のインチワームとチョッキリ
↑ 揺籠 ↓ 中に黄色に光る卵がひとつ