異形のコンペイトウ?
色も形も新タイプのコンペイトウ??? mats
一体なんでしょう? 新タイプのコンペイトウだとしてもちょっと食欲はわきません・・・(※) 実は、ジャコウアゲハの前蛹のクローズアップです。10月下旬の多摩川土手、市による多摩川土手斜面の道路側・河川側の大規模草刈によって繁茂していた雑草類は一網打尽に刈られてしまっていました。そんな中でいち早く小さいながら再びツルを伸ばしていたウマノスズクサにジャコウアゲハの終齢幼虫が張り付いているのを見つけました。どうやって生き延びたのか定かではありませんが既に終齢の末期だったので枝ごと家に連れて帰ると予想通りすぐに蛹化。年内に蝶になってしまうと越冬できないので心配でしたが時間が経過し羽化する心配はなさそうなので蛹を紹介します。
※ 幼虫はウマノスズクサの毒素(アルカロイド)をずっと体内に蓄積しています。そのおかげで鳥は一度幼虫・蝶を食べると体調不良となり吐いてしまうためそれ以降二度とジャコウアゲハを捕食しなくなるといわれています。従って、コンペイトウのようでも私たちも食べてはいけません。
⇒ 参考 蝶百科図鑑 ジャコウアゲハ
↓ 多摩川土手のサイクリングロード脇にヒョロリと伸びたウマノスズクサに張り付く終齢幼虫
↓ 因みに成虫はこんな蝶。ジャコウアゲハのメス、ハイム内で撮影(9月初旬)
↓ 連れて帰るとすぐに前蛹となった
↓ 続いて蛹化。アメ色
ところで、このジャコウアゲハの蛹は「オキクムシ(お菊虫)」として知られています。お菊とは、江戸時代の怪談「番町皿屋敷」(※)に出てくる気の毒な女中さんです。働いているお役人の屋敷で十枚ある皿の一つを割ってしまったため厳しくとがめられ、お菊は古井戸に身を投じます。それ以後、深夜になると井戸からお菊の亡霊が現れて「一枚…二枚…」と皿を数え九枚目を数え終えると、「一枚足りない…」と泣き叫ぶという切ないお話です。ジャコウアゲハの蛹、オキクムシは後ろ手に縛られたお菊の姿を髣髴(ほうふつ)とさせることからの命名だそうですがそう思って見るとそんな風にも見えますね。
※ この怪談には播州皿屋敷ほか各地にいろんなヴァージョンがあります。
↓ お菊 その1
↓ お菊 その2 ゲゲゲの鬼太郎に出てくる「ネズミ男」にも・・・ごめんなさい、お菊さん!
2枚目の写真に関して、一部補足します。
多摩川沿いのサイクリングロードの下の土手に腹這ってカメラを構えるmats氏。狙いはその先のまさに2枚目の写真、このジャコウアゲハの幼虫でした。この日、私(Henk)が10月24日の「今日の一枚27」にしたアサギマダラを撮影している後姿をmats氏は黙って撮っていたのでした。これはそのお返しです。
夢中になると、後ろは全くの無防備です。お互い気を付けましょう(笑)。
ウーン、参りました・・・多摩川サイクリングロードをジョギングしている男女を見上げながら撮影している怪しげなオッサンにしかみえません(誰もイモムシの写真を撮っているなどとは思わないから)。
通報されなくて良かった・・・