テーマ(2) 魅力的なシジミ VS 目立たないセセリ

どうやらカラ梅雨気味のようですが、お天道様と私の予定がうまくすり合いそうにないので、この1週間はテーマを設けてアーカイブ画像を季節には無関係かつ順不同でまとめています。第2回は「魅力的なシジミ VS 目立たないセセリ」。小さいながら色とりどり、生活史もバラエティに富んだシジミチョウ。一方、セセリチョウたちは色も目立たないことが多い割にはいつも気にかかる存在です。 mats

シジミチョウたち

↑ トップは、ベニシジミ(神奈川県 4月上旬)。早春に河原で見つけて嬉しくなるのがこの橙色に輝くシジミチョウ、晩秋まで微妙に色を変えながら何度も世代交代して目を楽しませてくれます。

↑ ツバメシジミ(神奈川県 4月上旬)。メスの翅の表は通常濃灰の一色だけであるが春先に出てくる低温期のメスの中には青藍の鱗粉が散る俗称「アオメス」が時折見られる。

↑ トラフシジミ(神奈川県 3月下旬)。アンズの花で吸蜜。春型のトラフ(虎斑)模様は白が目立って印象的なのに対し夏になると全体に茶褐色っぽくなってしまう。

↑ スギタニルリシジミ(神奈川県 3月下旬)。春一番に、ギフチョウやミヤマセセリと並んで出てくる小型のシジミチョウ。

↑ オオミドリシジミ(神奈川県 6月上旬)。撮影時期が遅れたため翅が傷んではいるが雰囲気が好きな一枚。多数のオスたちによる縄張り行動に息を呑んだ。

↑ ルリウラナミシジミ(石垣島 11月下旬)。とまると必ず翅を閉じる、飛ぶと電光石火のごとく速いという困りもの。翅の表は小さなシジミにしては信じられないような濃青の金属光沢なのに・・・センダングサで吸蜜。

↑ ハヤシミドリシジミ(東京都 6月下旬)。学名が Favonius ultramarinus といわれるのもウルトラマリンの翅の色から来ている。朝訪れた小雨の頂上で半ば諦めていたが小やみの間に運良く見つけた個体が開翅してくれた。

↑ クロマダラソテツシジミ(神奈川県 7月上旬)。2021年に突然湧いて出たようにあちこちで見られてフィーバーしたがその後は姿を消している。食樹のソテツが園芸樹木として関東でも増えてきたため時折発生するようではあるが定着には至っていない。写真はメス。

↑ ミドリシジミ(長野県 7月下旬)。湿原で見つけた羽化直後のオス。広大な湿原に食樹ハンノキはあるがまさかこんなところで生息しているとは思わなかった。あちこち向きを変えて翅を乾かしていたようでゆっくりと撮影を楽しめた。

↑ アイノミドリシジミ(長野県 7月下旬)。金緑の輝きが他のミドリシジミたちと比べてもひときわ強く金色味を帯びるので大好きなシジミ。年によって発生時期がずれるのでなかなか新鮮な個体に出会うのは難しい。昔々受験生の頃、通信教育のZ会の筆名「あいのみどり」。

↑ ムラサキシジミ(神奈川県 8月上旬)。マンションの南側の生垣が食樹のアラカシであるので、遊歩道を歩くと日光浴しているのをよく見かける。新芽が出る頃に芽の周辺に産卵するのにいつも組合の剪定作業で一網打尽にされるがそれでもしぶとく命を繋いでいる。

↑ ムモンアカシジミ(山梨県 7月上旬)。羽化して這い上がってきている瞬間。特異なのは幼虫時代にクサアリと共生し、クヌギ、カシワなどに加えてアブラムシを食すという半肉食性。

↑ ルリシジミ(神奈川県 6月上旬)。とまってもなかなか開翅してくれないが珍しく長い間美しい瑠璃色を見せてくれた。

↑ ウラゴマダラシジミ(東京都 5月下旬)。食樹のイボタ林の下草、羽化して這い上がってきたメス。開いたり閉じたりして翅を乾かしている。

↑ カラスシジミ(長野県 7月下旬)。梓川の清流を背景にヨツバヒヨドリで吸蜜。

↑ ウラナミシジミ(神奈川県 10月下旬)。多摩川土手のセンダングサで吸蜜。このシジミの出現が秋の訪れを感じさせる。写真はオス。

↑ アカシジミ(神奈川県 5月下旬)。小雨にもかかわらずスダジイの花で吸蜜している。

 

シジミに続き、どちらかというと地味なセセリチョウたち

↑ ギンイチモンジセセリ(神奈川県 4月下旬)。2019年の台風19号では多摩川の増水による濁流で壊滅的打撃を受けたがその後、細々と命を繋ぎ、本年2023年にはほぼ以前の状態にまで復活したとみられる。

↑ キバネセセリ(長野県 8月上旬)。梓川沿いのクサボタンに飛来する。

↑ ミヤマセセリ(神奈川県 3月下旬)。スミレに飛来。春一番でギフチョウのいるところではセットのように出現する。

↑ ミヤマチャバネセセリ(神奈川県 4月下旬)。裏の白い紋の大きさ、配列で他のセセリと区別できる。新鮮な個体。

↑ ダイミョウセセリ(神奈川県 4月下旬)。多摩川土手、大名の裃(かみしも)の紋に似ていることからの命名とも言われる。新鮮な個体。

↑ アオバセセリ(東京都 5月上旬)。セセリの中ではひときわ目立つ派手な青緑と橙の補色が目を惹く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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